ノウハウ

ブレーキフルードの交換を疎かにするとブレーキが効かなくなる。

shiningarrow3725@gmail.com

車検を通すと必ずとブレーキフルード交換されて、なんだこれ・・・って思いませんでした?

タイオン
タイオン

ブレーキはしっかり効いてるからきっと売上を出すための口実だ!

てつじ
てつじ

そんなことないって💦
フルード交換は必須整備だからやるものなの!

ブレーキフルードの交換はすごく大事なことで、おろそかにすると制動距離が伸びるどころか停まらなくなります。

これはブレーキフルードの特徴である吸湿性がフルード内に水分を取り込むことによって劣化が進み、粘性や性能が下がることが原因です。

また水分が増えることでブレーキの金属部が錆びることに「固着」とよばれる症状になりブレーキピストンが動かなくなってしまう。

予防策はとしては1〜2年に一度の交換しかありません。

今回の記事では、自動車にとって不可欠であるブレーキフルードの交換についてお伝えします。

ブレーキフルードに水分が入ると何が起こるの?

先述でも言いましたが、ブレーキフルードは空気中の水分を吸収しやすい性質があるため、一度開封した缶は6ヶ月以内に使い切ることが重要です。

また見た目でも判断に迷うので車検のたびに交換、中古車は買ったら交換するぐらいが丁度いいです。

なぜそこまでフルードの水分量を気にするのか?

それは「ベーパーロック現象」「固着」の2つの症状を引き起こすからです。

この2つの症状を引き起こすところは違えど結果的にブレーキが効かなくなります。

てつじ
てつじ

「ベーパーロック現象」はフルードに異常。
「固着」はキャリパーに異常
ブレーキフルードの劣化は別々の症状を出すよ。

もう少しわかりやすく解説していきます。

ベーパーロック現象とはフルード内の水分の蒸発によって起こる現象

ブレーキフルードには空気中の水分を吸収する特性があることをお伝えしましたが、過剰な水分が混入すると、ブレーキをかけた際にベーパーロック現象を引き起こす原因となります。

ベーパーロック現象のメカニズム

1.ブレーキフルードが過剰な水分を吸収。水分が混入するとフルードの沸点が下がります。

2.ブレーキを長時間使用したり、急ブレーキを繰り返すことでブレーキシステム内の温度が上昇し、熱がブレーキフルード伝わる。

3.沸点が下がったフルード内で液体が気化し、小さな気泡が発生します。

4.ブレーキペダルを踏んだ際、液体は圧縮されませんが、気泡は圧縮されるため、ペダルを踏んでもブレーキの力が伝わらなくなります。

順番に補足します。

1.水分の混入でブレーキフルードの沸点が下がる。

ブレーキフルードの規格では、DOT 3は一般的に使用されるフルードです。これを基準として比較してみましょう。

ドライ沸点(水分を吸収していない状態):約205°C
ウェット沸点(水分を吸収した状態):約140°C

2.温度が上昇する条件。

・長い下り坂を長時間フットブレーキを使用する。
・カーレースなどのブレーキを多用する場面。

3.ブレーキフルードが沸騰する。

・水同様に沸騰して泡が発生します。

4.自然に抜けることのない気泡

・ブレーキホースは複雑に配管されているため、フットブレーキをいくら踏んでも上のタンクから気泡が抜けることはありません。

過去の事故とベーパーロック現象になる運転

私の地元には標高1600mの山がありまして、観光に来た人が「下り坂でブレーキが効かなくなって事故を起こした」とロードサービスから依頼が来ます。

現場点検するとベーパーロック現象による事故で、キャリパーからは焦げ臭いニオイが残っていました。

条件が悪いと思いますか?もちろん平坦な道路でも同じ現象が起きる可能性があります。

国道で車間距離が近い人を見たことありませんか?

車間距離の狭く保つためにはアクセルとブレーキを常に入れ替えて走っていて、止まる時も急ブレーキが多くなります

そのような運転はブレーキの多様によってベーパーロック現象に引き起こします。

どちらの件もブレーキの多様によって引き起こされたものです。

下り坂ではポンピングブレーキをする。

「ブレーキから焦げ臭いニオイ」これはブレーキペダルを踏み続け熱くなってブレーキパッドが焦げたときにニオイがします。

下り坂でブレーキペダルを踏み続けることは継続的にブレーキシステムに熱を与えていることになります。

このようなことを防ぐために僕は下り坂ではポンピングブレーキで使用します。

ペダルを踏んだら、離して、踏んだら、離しての繰り返しです。

てつじ
てつじ

ポンピングブレーキはABSを搭載してない車が滑りやすい路面を走るときに車両を安定させるときに使う運転技術。
本来の使い方ではないけど、放熱を手助ける面で役に立つ時術だよ。

ただ坂道を下る際のポンピングブレーキには注意点があります。

注意点

スピードが出ている状態でポンピングブレーキをすると連続で急ブレーキを踏んでいるのと同じなので、スピードを落としてからのポンピングブレーキをしてください。

車に人や荷物を沢山乗せているとより強くブレーキを踏まないといけなくなるので、シフトダウンするとエンジンブレーキが強くかかるので上手に利用しましょう。

てつじ
てつじ

小さい車は軽いため熱が発生しないと思うけど、ブレーキの放熱量が少ない。
逆に大きい車は重いけどブレーキの放熱量が多い。
どっちとも油断出来ないよ!

車間距離を広く保つと燃費もいいしブレーキも熱くならない

車間距離を狭い状態を続けることは何のメリットも有りません。

車間距離を詰めるとアクセルとブレーキを頻繁に入れ替えて走ることになります。

言い換えると「加速」と「減速」を繰り返すので燃費は悪くなるしブレーキペダルを踏む回数が増えることでベーパーロック現象になる可能性が出てきます。

もちろん追突事故のリスクも高くなります。

固着とはキャリパーピストンが錆びることによって動かなくなる

サビがひどくなってしまうと動かなくなってしまう。
これを「固着」と呼ばれる。

すぐに固着を修理をしないとブレーキローターは変形して交換が必要になります。

固着の判別方法は3つあります。

固着するとブレーキパッドがブレーキローターを挟んだまま戻らなくなります。

そこで早めに固着を判別方法するを紹介します。

1.ブレーキローターを挟んだまま走行すると「キーキーキー」と音が出る。
2.ジャッキで車体を上げてタイヤを手で回すとタイヤが動かない。
3.エンジンをかけてDレンジに入れブレーキペダルを離すと動かない。

このどれかの症状が出ていた場合すぐに交換してください。

症状の大きさによっては車は走行すら出来なくなるのでその際は最寄りの自動車整備工場やロードサービスをご利用ください。

判別方法はあるけど、経験値が必要になる

ブレーキフルードの劣化を見分ける方法として水分含有量テスターを使用してフルード内の水分含有量を調べることが出来ますが、テスターを持っている工場は少ないと思います。

テスターも3〜4万しますし、使い方も複雑なので交換したほうが間違いないです。

また見た目で判断することも出来ますが、新品と劣化品を比べないと分からない。

ブレーキフルードタンクで確認してもタンクの汚れやゴムの黒いのスケなのかよくわかりません。

てつじ
てつじ

ちなみに僕もわからないから、運転手さんに問診して全開の車検で交換してなかったら交換しているよ

最後に

ブレーキフルードの交換をおろそかにすると事故につながります。

それは水分を含んだブレーキフルードが「ベーパーロック現象」「固着」を引き起こすからです。

この他にもブレーキペダルを踏んだ時ふわふわしたり、ブレーキペダル踏んでから止まるまでの距離が長くなる(制動距離)などいろいろと不具合が出てきます。

交換するタイミングは1〜2年に一回、車検のときにすれば大丈夫です。

もし中古車をかったらメンテナンスノートを確認、心配ならフルード交換をおすすめします。車種によりますが5000~10000円の間の工賃です。

安くはない工賃ですが、事故を防ぐためには大事なことです。

てつじ
てつじ

売上とかじゃなくて安全のためなの!わかったかい!
もちろん自分で交換するのもおすすめしないよ!

タイオン
タイオン

自分で交換してエアが入ったら大変。
りょうかい〜!

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