ノウハウ

現代の車に水抜き剤は必要?理解をすることで押し売り回避!

shiningarrow3725@gmail.com

お客さんから「ガソリンスタンドで水抜き剤を勧められた自分の車は必要なの?」と質問を頂きました。

先に結論を言うとお客さんの車にはいりませんし、僕も水抜き剤を使いません。

「お客さんの車はいらない」には、水抜き剤が必要な車には条件があるからです。

水抜き剤が必要になる条件

1.燃料タンクが鉄製で作られた古い車
2.燃料を入れたまま長期間放置していた車

なので、お客さんの車はまだ初期登録から10年も経ってなく毎日走っているから必要条件には入りません

ではなぜ勧められたのか?

これは予想になりますが、ガソスタ店員の知識不足によるものかと。それか在庫を片付けたかったのか。

実際の所はわかりませんが、不用意に水抜き剤を入れていいものではありません。

そんな今では忘れ去られた水抜き剤について解説していきます。

燃料タンク内に水が貯まる理由と水抜き剤を使うタイミング

そもそも水抜き剤ってなんでしょう?

燃料タンク内に溜まった水分を除去するために使われる添加剤。

主成分はアルコール成分で出来ていて、水と反応することで燃料と混ざり燃焼される仕組みです。

てつじ
てつじ

車の給油口に直接いれるだけだから簡単^^

あとはいつもどおり走行するだけで燃料タンク内の水分がなくなります

水抜き剤を使用することでこれらのメリット/デメリットがあります。

メリット

・燃料タンク内の水分の除去
・水分の除去によってエンジントラブルの予防
・燃料タンク内のサビ予防

デメリット

・使用頻度を守らないと主成分であるアルコールで燃料系の部品が壊れる恐れが出る
・ガソリン用とディーゼル用を間違える可能性がある

デメリットに関しては個人で行わず整備士やカーディーラーに相談すれば防ぐこともが出来ます。

また水抜き剤がいらない場合もありますからプロの意見を聞いたほうが良いでしょう。

なぜ燃料タンクは密閉されているのに水分が入るの?

燃料タンクは車の下部に設置されていて、車種によって助手席か後部座席の下にありますがどっちとも同じ作りです。

また給油口は蓋が付いているので入れようと思わなければ、基本的に水は入りません。

なぜ、燃料タンク内に水分が発生するのでしょうか?

発生原因
  • 結露
    • 気温差が大きい環境で、タンク内の空気が冷やされると水滴が発生します。特に冬場は結露が起こりやすくなります。
  • 給油時の混入
    • 給油時は燃料だけではなく空気に含まれる水分が混入するため。
  • 給油口の密閉力が弱い
    • 20年前の車は給油口のフタの密閉力が弱くて水が入る可能性が合った。

北海道や東北では寒暖差が激しいので、冬場はよく水抜き剤を勧められていました。

雪国ではガレージに車を止めるのでなおさら寒暖差が大きくなります。

また給油時の空気の混入は完全に防ぐことは出来ませんが、燃料を満タンに入れることによってタンク内の空気のスペースがなくなります。

現在の燃料タンクは樹脂製で作られているため結露とサビに強くなったので水抜き剤の出番がなくなった

燃料タンクの材料を変えたことで結露サビの発生を抑制することが出来ました。

大体20年前の燃料タンクは鉄製で外気の影響を受けやすく、結露が発生する原因にもなっていましたが、現在の車の燃料タンクは樹脂製で作られていて結露に強くなっています

またサビに関しては、水分は燃料より重くて下に溜まり、その水分が空気と混ざることで酸化し鉄製の燃料タンクにサビを発生させます。

サビが進行してくるとタンクに穴を開けます。

樹脂製の燃料タンクは結露抑制だけではなく、サビとは無縁な側面を持ち合わせています。

てつじ
てつじ

鉄製の燃料タンクは重くてジャッキを使って交換してたけど、樹脂製の燃料タンクは軽自動車だと片手で持てちゃうから整備目線でも助かるね^^

もし水抜き剤を使わないで水分を放置するとどうなる?

燃料タンク内に水分が溜まっている車を使っているとどうなるでしょうか。

鉄製の燃料タンクはサビに繋がることは先程お話したとおりです。

また水分がエンジンの燃焼室に入ると「ぼっぼぼっぼっ」と燃料不調を引き起こします。

また燃料タンク内の水分程度では有りえませんが、多くの水分がエンジンの燃焼室に入ると「ウォーターハンマー」などを引き起こしコンロッドの破損につながります。

てつじ
てつじ

ありえないと思うけど、理屈ではエンジンは壊れるよ!

他にも燃料の残量メーターなどのセンサーに悪影響を出したり、燃料が通る鉄管やゴムホースにもダメージを与えます。

条件に合わせて水抜き剤を使う

これらの条件に当てはまるときに水抜き剤の選択肢を考えよう。

  • 古い車両を所有している場合(特に鉄製の燃料タンク)。
  • 湿度が高い地域や寒冷地に住んでいる場合。
  • 車を長期間放置していた場合
  • 燃料があまり良質でない可能性がある場所で給油する場合。

もちろん古い車両だから必ず水が貯まるわけではありません。

車両の走行によって、タンク内の燃料を定期的に新しい燃料に入れ替えることで防ぐことが出来ます

一昔の車は後部座席の下から燃料ポンプを外してタンク内の燃料を目視できましたが、現在の車は燃料タンクを降ろさないと内部を確認することが出来ません。

条件は一つの指針ですので、当てはまったらすぐ水抜き剤を入れないで、整備工場やカーディーラーに相談してください。

水抜き剤を入れる前の下準備

水抜き剤などの添加剤には◯リットルの燃料に対して添加剤を一本入れると使用方法に書いてあります。

なので整備工場に車を持ってい行く前に燃料を満タンに入れると水抜き剤が入らなくなってしまう可能性があります。

理想として、

1.燃料タンクは空に近い状態にし
2.水抜き剤を注入(ボディーに液体をつけないよう注意)
3.注入後燃料を満タンに入れる

水抜き剤などの添加剤は商品によって必要な燃料の量が変わりますので、使用方法の確認をお願いします。

てつじ
てつじ

使用方法はボトルの横に小さく書いてあることが多くて、燃料の量を見間違えたら大変だから相談もコミでプロにおまかせしてね。

水抜き剤を使用す際の基本的な手順は以下の通りです:

まとめ:僕の考えではどの車にも水抜き剤はいらない

現代の車両の鉄製の燃料タンクが樹脂製に変わったことによって結露やサビの発生を抑制してくれます。

また鉄製の燃料タンクの車両は、もしかしたら燃料に水分が混ざってしまうかもしれませんが、僕なら燃料を全部抜いて新しい燃料を入れます。

先程の「車を長期間放置していた場合は水抜き剤を選択肢に入れる」とお伝えしましたが、僕は水分うんぬんより燃料が「腐る」のではないかと考えてます。

燃料の腐れは水抜き剤とは別問題なので、2つの問題があるのなら燃料を全部入れ替えるのが安全策です。

てつじ
てつじ

腐った燃料はドロドロになって燃料ポンプが詰まるから注意が必要。燃料は古くなってくると色が変わるから見比べないとわからない。

最近の車は「水抜き剤なのど添加剤禁止」と明記された車もあるので注意が必要です。

水抜き剤の主成分のアルコールは時には燃料ポンプのゴムなどにダメージを与えてしまったり、最近の車は異常に敏感なのでチェックランプが出たりします。

これらを考慮して僕なら水抜き剤はいらない!と考えます。

てつじ
てつじ

自分では作業せず、車両はロードサービス等で工場まで運んでもらおうね!

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