ノウハウ

エンジンオイルの必要性を徹底解説!~車の血液とも言える重要な役割とは~

shiningarrow3725@gmail.com
タイオン
タイオン

車の血液って(笑
酸素でも運んでるの?

てつじ
てつじ

酸素は運ばないけど、血液と一緒でメンテナンスを怠るとドロドロになって油路が詰まったりするよ!

エンジンオイルはエンジンの中を隅々まで行き渡り、エンジンを守っているので整備士界隈ではよく使われる比喩ですね。

エンジンをスムーズに動かし、長持ちさせるために欠かせないエンジンオイルについて、初心者でもわかるように解説します。

1.エンジンオイルとは?その役割と重要性

エンジンオイルは、エンジン内部の部品をスムーズに動かすために欠かせない潤滑油です。

例えば人間の体に流れている血液の役割は「酸素・栄養の運搬」「老廃物の運搬」「体温調整」などありますが、エンジンオイルにも似ている所がありエンジン内部を守り、車の性能を発揮させる重要な役割を担っています。

具体的には、以下の5つの役割があります。

1.潤滑

エンジン内部の金属部品同士が摩擦で摩耗しないように滑らかに動かします。

2.冷却

エンジンが発生する高温を抑え、過熱を防ぎます。

3.洗浄

エンジン内の汚れやカスを吸収し、エンジン内部をクリーンに保ちます。

4.防錆

金属部品が錆びないように保護します。

5.密封

ピストンとシリンダーの間にオイル膜を形成し、気密性を保つ。

てつじ
てつじ

オイルのイメージは潤滑と防錆だったな〜

2.オイルの種類と選び方

エンジンオイルにはさまざまな種類があり、車種や使用環境によって適したものを選ぶ必要があります。

次の3つの分類を押さえておきましょう。

2-1. ベースオイルの種類

エンジンオイルは主に以下の3つに分類されます。

鉱物油(Mineral)

原油を精製して作られたオイル。安価で冷却性能が高く気密性も強いことから、ドラックレースカーや旧車などに使用される。

全合成油(Full Synthetic)

化学的に作られた最高品質のオイル。高性能で耐久性が高いが価格は高め。市販車のなかでもスポーツカーやターボ車などの高出力の車に使用される。

部分合成油(Semi-synthetic)

鉱物油と化学的に作られた合成油を混ぜたもの。性能と価格のバランスが良い。普通車や軽自動車に使用される。

てつじ
てつじ

鉱物油はエンジンに悪いイメージがあるけど、現代のエンジンの作りに合わないだけ。旧車や過走行車ではまだまだ活躍するよ。

2-2. 粘度(SAE規格)

エンジンオイルの「○W-○」という表示は粘度を表します。

例えば「5W-30」は、低温時(5W)と高温時(30)の粘度を示しています。

粘度が低いことを「柔らかい」「サラサラ」と表現します、逆に粘度が高いことを「硬い」「ドロドロ」と表現します。

近年の環境性能重視の車種では、「0W-20」「5W-20」などの低粘度オイル(省燃費オイル)が指定されることもあります。

てつじ
てつじ

車種によっては「0Wー20」と「5Wー30」どちらでも大丈夫な車もあるよ。これは寒い地域では「0Wー20」で暑い地域では「5Wー30」を使うってこと。

2-3. 使用目的でエンジンオイルを考える。

車種ごとにメーカーが推奨するオイルが指定されています。

これは同じ「5Wー20」でもエンジンオイルに含まれる添加剤ベースオイルで使用目的が変わってしまうからです。

例えば通常「0Wー20」を入れる車でも夏に長距離運転するなら「5Wー30」を入れたほうがエンジンの負担が少なくなります。

粘度が高いほうが高温時でもオイルの性能が損なわれることがないからです。

マニアックなことなのでディーラーや専門店に相談しましょう。

てつじ
てつじ

前にオイル交換しに来た外車に国産車向けで同じ粘度の「5Wー20」オイルを入れたらエンジンの隙間という隙間からオイルが漏れたことあるよ^^;

これこそ添加剤やベースオイルで使用目的が変わるってこと。

3. エンジンオイル交換のタイミングとペース

エンジンオイルの交換時期は、車を安全に長く使うために非常に重要です。交換の目安は次の通りです。

3-1. 一般的な交換目安

走行距離

エンジン車:5000km(±1000km)

Point

走行距離が増えるにつれてエンジンオイルは汚れやすくなったり、消費したりするので5000kmにとらわれずにマメな点検が必要です。

ハイブリッド車:10000km(±2000km)

Point

バッテリーとエンジンを切り替えて走るハイブリッド車ですが、高速走行が多いとエンジン走行が増えるでオイルの汚れが早まります。

3-2. 期間で交換

エンジンオイルは走行していなくても環境や温度によって劣化するので半年〜1年を目安に交換をオススメします。

3-3. 使用状況によるオイルの劣化

短距離走行が多い

短距離ではエンジンが温まらず、不完全燃焼や水分混入が起きやすくなります。

燃料がオイルに混ざることで粘度が低下し、乳化や酸化を引き起こして汚れが加速します。

渋滞が多い地域

渋滞中は車が動かずエンジンが冷えにくいため、エンジン内部に熱がこもってしまいます。。

この高温が原因でオイルが劣化しやすくなり、汚れ(スラッジ)が発生します。

また、アイドリング中の不完全燃焼ですすや燃料も混ざりやすくなります。

長距離走行が多い

高速走行ではエンジン回転数が高くなり、燃料燃焼量が増加するため、すす(カーボン)が発生しやすくなります。

また、高温状態が長時間続くことでオイルが酸化しやすくなり、汚れ(スラッジ)や劣化が加速します。

てつじ
てつじ

エンジンオイルを天ぷら油と考えるとわかりやすいよ

低温で素揚げすると水分が抜けきらない。(低距離)
高温すぎると天ぷら粉が焦げて汚れやすくなる(渋滞)
たくさん天ぷらを揚げると汚れるのも早くなる(長距離)

3-4. オイルフィルター(オイルエレメント)も同時に交換

エンジンオイル交換時には、オイルフィルター(オイルエレメント)も一緒に交換するのがおすすめです。

フィルターが汚れていると、新しいオイルもすぐに汚れてしまうからです。

交換頻度としては、エンジンオイルは2回交換するごとに、オイルフィルターを1回交換するペースで大丈夫です。

てつじ
てつじ

一部の整備士は「フィルターなんてキッチンペーパー入っているだけだから交換しても変わらん!それよりマメなオイル交換のほうが大事だ!」

理屈はわかるけどメーカーさんが考えているんだからフィルター交換が普通だよね^^;

4. エンジンオイルを交換しないとどうなる?

エンジンオイルには以下の5つの重要な役割があります。

それぞれの役割が劣化や汚れで機能しなくなると、エンジン内部に深刻なダメージを与えます。

4-1. 潤滑性能が下がることで摩耗が増える

オイルの交換をしないと、摩擦が増え、部品が過剰に摩耗して故障の原因になります。エンジンから異音が出ることもあります。

また摩耗によってエンジンオイルが燃焼室に入りオイルの消費につながります。

4-2. 冷却性能が経過するとオーバーヒートにつながる

オイルの交換をしないと、オイルの冷却性能が低下し、エンジンが過熱して最悪の場合、エンジンが焼き付く(壊れる)ことがあります。

4-3. 洗浄効果が薄まり油路が詰まる

オイルの交換をしないと、汚れが蓄積しエンジン内部がスラッジ(汚れの固まり)が油路で詰まり、パフォーマンスの低下に繋がります。

4-4. 防錆しなくなると内部で錆が発生

オイルの交換をしないと、劣化したオイルが金属部品を十分に保護できなくなり、内部で錆が発生します。錆が進行すると部品の破損につながります。

4-5. 密封効果がなくなると燃焼室にゴミが入る

オイルの交換をしないと、オイル膜が劣化して気密性が失われ、エンジン出力が低下します。また、燃焼室に汚れや異物が入り込みやすくなります。

てつじ
てつじ

僕が見た中で一番ひどく劣化したエンジンオイルは、オイルパンから真っ黒いスライムが出てきた時だね。

5. 交換タイミングを忘れないコツ

5-1. トリップメーターを使う

メーター内にオドメーター(総走行距離)とトリップメーターがあります。

その中のトリップメーターは走行距離をリセット出来るので、次のオイル交換までの距離を測りやすい。

5-2. オイル交換ステッカーを貼ってもらう

エンジンオイルは距離だけではなくて時間も大事で半年〜1年運転していなくても交換をオススメします。

なぜならエンジンオイルはほっておいても酸化乳化してしまい本来の性能を発揮できなくなるからです。

オイル交換ステッカーだと最後の交換日と次回の交換距離も確認できるので一石二鳥です。

てつじ
てつじ

エンジンオイルが温まる前にエンジンを止めてしまうとオイル内に含まれる水分が抜けきらなくなって酸化や乳化につながるよ。

ステッカーを見て半年以上オイル交換していなかったらぜひ交換してください^^

6. さいごに

エンジンオイルは車を長期間乗るうえで一番に大事なものです。

特に現代の車は燃費や安全のためにセンサーがたくさん装着されているので異常があるとチェックランプが点いたり、最悪交換になります。

オイル交換をしていれば軽自動車でも総走行距離は20万kmを超えることも夢では有りません^^

Check

・エンジン車:5000km(±1000km)
・ハイブリット車:10000km(±2000km)
・車に合うベースオイル・粘度を入れる
・走っていなくても半年〜1年程度でオイル交換
・オイル交換の二回に一回はオイルフィルターを交換
・オイル交換ステッカーで確認

オイル交換を放置していてある日エンジンから変な音が聞こえてきたら、それはエンジンの中で異常が起きている証拠です。

簡単に言うと、エンジン内部の部品同士が干渉しているってことです。

この部品同士の干渉は治ることはありません。日に日に悪くなります。

てつじ
てつじ

昔レッカーで上記のような車が高速道路を走っていたら、エンジンから大きな音がして煙がが出て止まったんだ。

よく見たら、エンジンの側面からピストンが飛び出していたんだ!

てつじ
てつじ

もっと悪いと、飛び出したピストン隙間からオイルやガソリンが出てきて、それが熱くなったマフラーにかかって車両火災につながったこともあるんだ。

タイオン
タイオン

車両火災か〜エンジンが駄目になるだけじゃないんだね。

オイル交換はエンジンの保護だけはなく運転手を守ることにもつながっているってことです。

ディーラーだと予約して30分待って、、、時間は取られますが大事なことなので時期が来たら交換しましょう。

それでは素敵なカーライフを〜^^ノシ

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